トップページお客さまの声をかたちにするために:専門家からの第三者意見 日新火災のISO10002への取り組みについて

専門家からの第三者意見 日新火災のISO10002への取り組みについて

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元(社)消費者関連専門家会議
(ACAP)理事長
酪農学園大学非常勤講師
鍋嶋 詢三 様

 日新火災海上保険株式会社は、明治41年に創業された歴史ある会社です。その100年の歴史の中で、多くのお客さまとお付き合いし、その企業力を伸ばしてきました。経営理念にも『お客さま本位の安心と補償をお届けし』と記載してあり、地域に根ざし、個々のお客さまのニーズにきめ細かく対応するリテール損害保険会社を目指されています。このため、国内の損害保険会社の中でも、お客さまと地域の多様なニーズやその変化をいかに経営に活かしていくか、ということに経営の重点が置かれています。また、5ヵ年の中期経営計画においても、目指す姿のひとつとして『「お客さま本位」において損害保険業界のトップランナーになる』と謳っています。

 お客さま対応の基本は、まず、お客さまの意見をいかに真摯に聞くか、ということに尽きます。そして、その意見をトップが良く知ることが重要です。過去の企業でのトラブルを見ますと、トップがお客さまの意見に耳を傾けていなかったことが主たる原因と考えられる事例が多く見られます。

 保険会社は、主にお名前の分かっている方がお客さまですから、苦情を受けた担当者や組織全体の努力によって、その苦情を申し入れたお客さまがロイヤルカスタマー(固定客)に変わっていただく良い機会でもあります。さらに、一人のお客さまから得た情報は、他のお客さまに対するより良いサービスの源ともなります。したがってお客さまサービス部門が、より前向きな姿勢で情報を集めていくことにより、社外から会社に向けられたメッセージのすばらしい情報源に成り得ます。

 今般、日新火災は、苦情対応マネジメントシステムの国際規格であるISO 10002 (JIS Q 10002:2005「品質マネジメント−顧客満足−組織における苦情対応のための指針」)への適合を宣言します。これに先立ち、私に対して日新火災における苦情対応マネジメントシステムについての確認の要請があり、全般的な内容および日新火災が自ら行った適合性評価の妥当性を、第三者として確認しました。

 苦情対応マネジメントシステムに関しISO 10002が重視していることは、以下の項目です。

  1. (1) トップマネジメントが関与した仕組みであること
  2. (2) 基本理念・基本方針が定まっていること
  3. (3) 透明性のあるプロセス構築を図ること
  4. (4) 苦情情報が社内で一元化されていること(社員に教育・訓練されること)
  5. (5) 継続的改善が図られること(点検、監査やレビューの仕組みがあること)

 そして規格への適合の鍵は、トップマネジメントを含む全従業員が、「自社の商品は消費者に直結している」ことを再認識することにあります。

 日新火災では、「お客さまの声をかたちに。委員会」やその作業部会である「お客さまの声をかたちに。部会」(注)での活動があります。また、営業拠点における「お客さまの声」の収集力アップの促進などにより、全国からのお客さまの声を有効に取り入れ、社内で共有しています。これらによって、今後お客さまへのより良いサービスの提供に役立てることが期待できます。

 しかし、このシステムを継続的に育てあげ、「お客さま本位の事業展開」を日新火災の組織文化として定着させるためには、現状を「達成完了」ではなく、スタートラインに立ったに過ぎないと考えるべきです。

 今後は従業員のみならず、募集や顧客対応の最前線である代理店に対しても苦情対応マネジメントシステムの価値を共有する啓発活動の徹底が望まれます。そして、このシステムの継続的改善が、今以上にトップマネジメントの意志を持って進められ、より良い顧客サービスが提供されることを期待します。

2008年6月24日
鍋嶋 詢三

(注)2014年4月1日「お客さまの声をかたちに。委員会」は「業務品質向上委員会」となりました。

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