マンション管理組合が知っておくべき保険料の相場を紹介!保険料を抑える方法や補償内容も解説

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マンション管理組合の役員の中には、現在加入しているマンション共用部分の火災保険について、「保険料として支払っている金額は妥当なのだろうか」「もっと保険料を安くできるのではないか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実は、マンション管理組合の保険には明確な「保険料の相場」というものがありません。

では、どうすれば妥当な保険料を見極められるのでしょうか?

本記事では、マンション管理組合の保険における補償内容の詳細や、保険料を抑える具体的な方法を紹介します。

コスト削減と適切な補償のバランスが気になる管理組合の方は、ぜひ最後までお読みください。

1.マンション管理組合で加入する保険にかかる費用の相場はどれくらい?

2.pngマンション管理組合の保険の保険料について、多くの方が相場を気にされますが、実際のところマンション管理組合の保険に一般的な相場は存在しません

これは、各マンションの置かれた状況がそれぞれ大きく異なるためです。

保険料を決定する主な要素には、以下のようなものがあります。

  • マンションの規模
  • 築年数
  • 事故頻度
  • 立地条件
  • 補償内容

特に注目すべきは築年数で、マンションの築年数が古くなればなるほど保険料が高くなる傾向にあります。

ただし、同じ築年数や補償内容でも保険会社によって保険料に差があるため、管理組合として納得のいく保険料を調べるには、複数の保険会社から相見積もりを取ることが良い方法です。

マンション管理組合の保険に相場はありませんが、相見積もりを取ることによって最適な保険プランと保険料を見つけることができるでしょう。

2.マンション管理組合が加入する保険における補償内容について紹介

3.pngマンション管理組合が加入する保険は、マンションにおける共用部分や居住者の財産を守るための役割を果たします。

ここでは、主な補償内容を4つ紹介します。

  • 賠償責任に関する補償
  • 財産に関する補償
  • 費用に関する補償
  • 地震保険

それぞれの補償内容について、詳しく見ていきましょう。

(1)賠償責任に関する補償

マンション管理組合が加入するマンション共用部分の火災保険において補償の対象となる賠償責任とは、管理組合や住民等が他人の身体や物に損害を与えた際に負う法律上の責任のことを指します。

例えば、以下のような事例が賠償責任に関する補償の対象となります。

  • 共用部分の手すりが外れて住民がケガを負ってしまった
  • 洗濯機のホースが外れ、下の部屋に漏水して階下の住民の家具を水浸しにしてしまった。

このような事故が起きた際、管理組合や住民等は被害者に対して賠償責任を負うことになります。

賠償責任に関する補償をセットしていれば、このような予想外の事態でも金銭的な補償を受けられます。

賠償責任の補償は、マンション管理組合や住民等が予期せぬ事故で負う可能性のある賠償責任の金銭的負担を軽くし、マンションの安定した管理運営を支える役割を果たします。

(2)財産に関する補償

財産に関わる補償は、マンションの共用部分がさまざまな事故や災害で損害を受けた際に、その修理費を補償するものです。

主な補償対象となる事故や災害には、以下が挙げられます。

  • 火災、落雷、破裂・爆発
  • 風災・雹(ひょう)災・雪災
  • 給排水設備の事故による水濡れ
  • 盗難
  • 建物外部からの物体の衝突等

この補償により、マンションの共用部分がさまざまな原因で損害を受けた場合でも、管理組合の財政的な負担を軽減できます

基本補償か特約により補償されるかは保険会社によって異なるため、詳細については保険会社へご相談ください。

(3)費用に関する補償

費用に関する補償は、マンション管理組合が予期せぬ事故に直面した際の追加費用をカバーする保険です。

ここでは以下の3つの費用の補償をご説明します。

  1. 臨時費用の補償(事故時諸費用の補償)
  2. 水濡れ原因調査費用の補償
  3. 失火見舞費用の補償

臨時費用の補償は損害の修復費用に加えて一時金を受け取れるもので、修理費用の約10%が加算されることが多いようです(保険会社にご確認ください。)。

例えば、修理費用が150万円の事故発生時に本補償により修理費用の10%である15万円が上乗せされ、合計165万円が支払われるイメージです(10%加算の場合)。

水濡れ原因調査費用の補償は、給排水管の破損による漏水等の水濡れ事故の際、原因特定に必要な調査費用を補償するものです。

壁に穴を開けるなどの調査が必要な場合もあり、その費用をカバーします。

失火見舞費用の補償は、火災で第三者や他の区分所有者に損害を与えた場合、「失火責任法」により、重大な過失がなければ法律上の賠償責任を負いませんが、被災した世帯に対し見舞金を支払うための補償です。

なお、ここまで触れた3つの補償は、基本補償に含まれていない場合が多く、補償を希望する場合は、オプションの特約を選択することが一般的です。

ただし、保険商品によっては基本補償に含まれていることもあるため、契約前に保険会社に確認しましょう。

(4)地震保険

火災保険では、地震、噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、流失などの損害は補償されないため、地震保険でカバーする必要があります。

地震保険で支払われる保険金は、実際の損害額(修理費用)ではなく、損害の程度により一定額が支払われる仕組みとなっています

損害の程度と支払われる保険金の額は、以下のように定められています。

損害の程度

支払われる保険金

全損

マンション共用部分の地震保険金額の100%(時価額が限度)

大半損

マンション共用部分の地震保険金額の60%(時価額の60%が限度)

小半損

マンション共用部分の地震保険金額の30%(時価額の30%が限度)

一部損

マンション共用部分の地震保険金額の5%(時価額の5%が限度)

損害の程度は、建物の主要構造部における損害の程度や、焼失・流失した部分の床面積の割合などによって判定されます。

地震保険は火災保険とセットで契約する必要があり、地震保険の保険金額は原則として火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で設定します。

詳細は損害保険の代理店に確認しましょう。

マンション管理組合は、地震保険固有の仕組みを十分に理解したうえで、適切な補償内容を選びましょう。

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3.保険料を安く抑える6つの方法

4.pngここでは、保険料を安く抑えるための6つの効果的な方法を紹介します。

  1. マンション情報(物件情報)が正しいかチェックする
  2. 保険金額を見直す
  3. 再取得価額を見直す
  4. 自己負担額(免責金額)を見直す
  5. 保険期間を5年に変更する
  6. 他社からも見積もりを取る

それでは、各方法について詳しく見ていきましょう。

方法1.マンション情報(物件情報)が正しいかチェックする

マンション管理組合の保険の保険料を適切に算出するには、物件情報の正確さが非常に大切です。

物件情報を間違えていると、正しい保険料が算出できなくなります。

特に注意が必要な情報は以下のとおりです。

  • 建築年月
  • 住所
  • 構造
  • 延床面積
  • 総戸室数

中でも、建物の古さや耐震性能が保険のリスクと直接関係するため、建築年月は保険料に大きく影響します。

もし誤った情報で契約していると、割高な保険料を支払うことになりかねません。

一方、実際より新しい建築年月で契約している場合、契約時の告知義務違反となって、事故時に補償を受けられないかもしれません。

契約内容に誤りや変更があれば速やかにご加入の損害保険の代理店へご相談ください。

方法2.保険金額を見直す

マンション管理組合の保険の保険料を抑えるには、保険金額の適切な設定もポイントです。

特に鉄筋コンクリート造のマンションは全損の可能性が低いため、保険金額を再取得価額より低い金額に抑えることで、保険料を節約できる場合があります。

ただし、万が一大規模な事故が起きた場合、保険金額が低すぎると修繕に必要な保険金も不足し、修繕積立金から不足分を補う必要が生じるかもしれません。

保険金額の設定にあたっては、以下の点を考慮しましょう。

  1. マンションの構造や築年数
  2. 地域の災害リスク
  3. 管理組合の財政状況
  4. 修繕積立金の残高

大切なことは、保険料の削減効果と必要な補償のバランスを取ることです。

マンションの状況や管理組合の方針を踏まえて、適切な保険金額を決めてください。

方法3.再取得価額を見直す

再取得価額とは、保険の対象(マンションの共用部分等)を新築または修理する際にかかる費用のことで、保険金額設定の基準となる項目です。

この再取得価額の設定が適切でないと、同じ保険金額でも保険料に大きな差が生じます。

再取得価額を見直す際の注意点は以下のとおりです。

  • 建築費の変動
  • 設備の更新
  • 地域性の考慮
  • 専門家による評価

再取得価額を実際の価額より低く設定すると、保険金の支払いが再取得価額を基準に行われるため、事故の際に十分に補償を受けられない可能性もあります

適切な再取得価額を設定することで、必要十分な補償を確保しつつ、余分な保険料の支払いを避けることができます。

方法4.自己負担額(免責金額)を見直す

マンション管理組合の火災保険において、自己負担額(免責金額)を適切に設定することで、保険料を効果的に抑えられます

一般的に、自己負担額(免責金額)が高いほど保険料は安くなる傾向にあります。

加えて、補償内容ごとに異なる自己負担額(免責金額)を設定できる場合もあります。

例えば、自己負担額(免責金額)を5万円に設定し、10万円の損害が出た場合、保険会社からの支払いは5万円(10万円ー5万円)となり、管理組合の負担は5万円です。

過去の事故履歴を考慮し、リスクの度合いに応じて補償内容ごとに適した自己負担額(免責金額)を設定することで、より効果的に保険料を削減できます。

とはいえ、必要以上に高い自己負担額(免責金額)は事故時にマンション管理組合の財政的負担が増えるため、慎重に判断しましょう。

方法5.保険期間を5年に変更する

マンション管理組合の保険で、契約期間を5年に設定すると、保険料を効果的に抑えられることがあります。

保険期間は通常1年から5年で契約できますが、5年契約を選ぶと以下の利点があります

  • 1年契約の5年分の保険料と比較したときの、保険料の割引
  • 事務手続きの簡素化
  • 5年間に負担する保険料が確定

マンションの将来計画や管理組合の方針を考慮しつつ、長期契約のメリットを活用することがポイントです。

方法6.他社からも見積もりを取る

マンション管理組合の保険の保険料を最適化するには、複数の保険会社や代理店から見積もりを取ることが大切です。

相見積もりを取ることで、より良い条件や合理的なプランを見つけやすくなるからです。

他社から見積もりを取る際は、以下の点に注意しましょう。

  • 現在の契約先(代理店)以外にも依頼する
  • 複数の保険会社の商品を比較する
  • 同一条件での比較を行う
  • 保険料だけでなくサービス内容も確認する

特に重要なのは、現在の保険代理店だけでなく、他の代理店にも見積もりを依頼することです。

新たな視点や提案を得られるほか、同じ補償内容や条件で比較することで、公平な判断ができます。

4.マンション管理組合が加入する保険は相場が無いのでプランの見直しが大事

マンション管理組合の保険選びでは多くの方が相場を気にされますが、明確な相場は存在しません。

マンションごとに建物の構造、築年数、立地条件、過去の事故歴などが異なるためです。

そのため、単純に他のマンションと比較するだけでは、適切な保険料や補償内容を判断することは容易ではありません。

ここで大切なのは、自身のマンションに最適な保険プランを見つけることです。

自身のマンションの特性や必要な補償に合わせて、最適なプランを選択し、定期的に保険を見直しましょう。

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