マンション駐車場に無断駐車を見つけたら?正しい対応の仕方を解説

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マンションの駐車場に見慣れない車が止まっていると気づいて、どのように対応すればいいか戸惑っていませんか?

マンション管理組合の役員として、適切な対応を取りたいものの、初めての経験に頭を抱えている方も多いでしょう。

無断駐車は、マンションの住民の生活を脅かす厄介な問題です。

しかし、焦って誤った対応をすれば、かえって事態を悪化させてしまう可能性も。

そこで本記事では、マンション駐車場で無断駐車に遭遇した際の正しい対処法から、未然に防ぐ効果的な対策まで紹介します。

本記事を読めば、無断駐車に冷静かつ適切に対応できるようになるでしょう。

住民の安心・安全を守るために、ぜひ最後までご覧ください。

1.マンション駐車場の無断駐車問題は適切に対応することが重要

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マンション駐車場での無断駐車は一見単純に見えますが、実際には管理上の難題となっています。

その理由は、主に2つです。

  1. 私有地内のトラブルに原則として警察が介入できない
  2. 対応を誤ると法的トラブルに発展する可能性がある

マンションの敷地は私有地であるため、公道での違法駐車とは異なり、原則として警察は無断駐車問題に介入できません。

そのため、管理組合や住民らが自ら対処しなければなりません。

加えて、無断駐車している車両を持ち主の許可なく移動させたり、損傷を与えたりすると、逆に訴えられるおそれがあります。

上記のような状況から、マンション駐車場への無断駐車問題には、慎重かつ適切な対応が必要です。

管理組合役員の方は法的知識を持ち、冷静に判断するようにしましょう。

2.マンション駐車場に無断駐車された際の正しい対応

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マンション駐車場に無断駐車を発見した場合、適切な対応が求められます。

無断駐車は単なる迷惑行為にとどまらず、マンション全体の秩序を乱す可能性があるため、慎重かつ効果的な対処が必要です。

以下で、具体的な対応方法を解説します。

  1. 警告文を掲示する
  2. 警察に通報する
  3. 車の所有者を特定して注意を促す
  4. 弁護士を通じて訴訟を起こす

それぞれの対応について、詳しく見ていきましょう。

対応1.警告文を掲示する

マンション駐車場で無断駐車を発見した際は、まず警告文を掲示します。

警告文を掲示する際は、証拠として車両のナンバーや車体を撮影し、日時や場所を記録しておきましょう。

警告文には無断駐車は違法行為である旨や、法的措置の可能性なども示唆し、速やかに移動してもらえる内容を記載してください。

注意点として、張り紙は決して車体や窓ガラスにテープで貼り付けないようにします。

車体にキズがついたり塗装が剥がれたりすると、損害賠償問題に発展する可能性があるためです。

法的なトラブルを避けるためにも、ワイパーに挟むなど適切な方法で警告文を貼ってください(対応にあたっては弁護士などの専門家の指導を受けるのが賢明です)。

対応2.警察に通報する

無断駐車が繰り返される場合や車が長期放置されている場合は、警察への通報がおすすめです。

車両のナンバーや色、車種といった情報をもとに所有者を調べ、直接連絡を取ってくれる場合があります。

特に盗難車の可能性がある場合、警察への通報は重要です。

ただし、私有地での無断駐車は原則として民事案件となるため、トラブルの解決までは介入しない点に注意が必要です。

対応3.車の所有者を特定して注意を促す

無断駐車が繰り返される場合、車の所有者を特定し直接注意を促す方法があります(弁護士に相談されることをお勧めします)。

手順は以下のとおりです。

  1. 車両のナンバーや状態などを写真や記録に残す
  2. 運輸支局で開示請求手続きを行い、ナンバープレートから所有者を特定する
  3. 特定された車の所有者に内容証明郵便で警告を送付する

内容証明郵便には具体的な迷惑行為や請求事項を明記し、再発防止を強く求めます。

郵送する際は、個人情報の取り扱いには十分に注意しましょう。

対応4.弁護士を通じて訴訟を起こす

これまで紹介した手段で解決できない場合、最終手段として弁護士を通じた訴訟を検討します。

訴訟により、損害賠償請求や車両の撤去を法的に求めることが可能です。

ただし、訴訟には時間と費用がかかります。

このため、訴訟を起こす前に必ず弁護士と相談し、勝訴の可能性や費用対効果を慎重に検討することが大切です。

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3.マンション駐車場に無断駐車された際にやってはいけない対応

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誤った対応は、さらなるトラブルを引き起こす可能性があるため注意が必要です。

絶対に避けるべき対応方法には、以下の3つがあります。

  • 民間のレッカー会社に依頼して車を勝手に移動させる
  • 車のタイヤをロックして動けなくする
  • 無断駐車している車の前に別の車を停めて出庫できなくする

持ち主の許可なく車を移動させたり出庫できなくしたりする行為は私人による違法な「自力救済」にあたり、逆に訴えられる可能性があります。

また、こちら側の行為によって車の損傷や破損につながった場合は、損害賠償を請求されるため注意が必要です。

相手が違反をしたからといって感情的な対応をすると、逆に不利な立場に立たされるおそれがあります。

無断駐車を発見した際は、冷静に法的手続きを踏んで適切な対応を心がけましょう。

4.マンション駐車場に無断駐車されないための対策

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マンション駐車場への無断駐車は、住民の生活に支障をきたしかねません。

無断駐車を防ぐためにも、あらかじめ対策を講じることが重要です。

ここでは、マンション駐車場に無断駐車されないための対策を紹介します。

  1. 看板を設置する
  2. 三角コーンやチェーンなどを設置する
  3. 防犯カメラを設置する

それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。

対策1.看板を設置する

駐車場に「無断駐車禁止」の看板を設置することが効果的です。

看板を設置する方法には、以下のようなメリットがあります。

  • 私有地であることを明確に示せる
  • 無断駐車の抑止効果が期待できる
  • 比較的低コストで実施できる

なお、看板の設置場所は、駐車場の入り口や周辺の目立つ場所を選びましょう。

夜間でも見やすいよう反射材を使用したり、ライトアップしたりするなどの工夫も有効です。

ただし、看板に「罰金」の記載をしても法的な強制力はなく、支払い義務も発生しません。

高額な罰金を記載すると、逆に訴えられるリスクがあるため注意しましょう。

対策2.三角コーンやチェーンなどを設置する

三角コーンやチェーンを設置することで、物理的に駐車を困難にする方法も効果的です。

物理的に駐車を困難にする対策には、以下のようなメリットがあります。

  • 視覚的に駐車できないことを示せる
  • 実際に駐車するのが難しくなる
  • 比較的安価で実施できる

ただし、住民にも負担がかかるため、理事会に諮った(はかった)うえで、事前に住民に知らせて納得してもらうことが重要です。

また、緊急時の対応や除雪作業などの妨げにならないよう、配置には十分配慮しましょう。

なお、無断駐車されている車を囲むような行為は、自力救済に該当するのでやってはいけません。

対策3.防犯カメラを設置する

防犯カメラを設置することで、無断駐車の抑止効果が期待できます。

防犯カメラを設置するメリットは、以下のとおりです。

  • 無断駐車の抑止効果が高い
  • 違反が発生した際の記録を残せる
  • 駐車場全体のセキュリティ向上につながる

カメラの存在自体が犯罪抑止につながるため、ダミーカメラでも一定の効果が期待できます。

ただし、24時間監視や録画を行うためには一定の費用が必要です。

そのため、マンションの予算に応じた検討が必要になります。

また、住民のプライバシー問題にも配慮して、適切な場所に設置することが重要です。

防犯カメラの設置は効果的な対策ですが、費用対効果やプライバシーへの配慮を十分に検討したうえで行いましょう

一時的な無断駐車の場合、所有者が後で車両を使う意思を有していると推測されるため、警告文の貼付や警察への通報などの対応を実施し、所有者に移動を促すことが適切です。

このように、無断駐車の理由を特定することで、適切な解決策を見出すことができます。

5.マンション駐車場への無断駐車を見つけたら正しい対応をしましょう

マンション駐車場への無断駐車は、住民の生活や安全を脅かす重大な問題です。

本記事で紹介したように、無断駐車には冷静かつ適切な対応をしましょう。

警告文の掲示や警察への通報、場合によっては弁護士への相談も検討してください。

また、看板や防犯カメラなど、無断駐車を未然に防ぐ対策も有効です。

管理組合が一丸となって正しい対応をとり、住民の安心を守りましょう。

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